東洋学、さらには人文学における非文献リポジトリ開発のモデルケースとして、仏教美術を中心としたチベット美術の情報プラットフォームの整備と公開を行う。わが国の諸研究機関に所蔵されているチベット美術の画像データを整理・統合し、インターネット上で公開するための統一的フォーマットを開発する。チベット美術の主要なジャンルである絵画、彫刻、工芸、壁画、建築などに関する画像データを中心に、作品そのものの基礎的情報、関連するテキストの文字情報、書誌情報、地理的情報などをリンクさせ、全体を一元的に扱う情報プラットフォームを構築し、非文献リポジトリの国際的な標準としての普及をはかる。図像資料を中心に仏教学、美術史、建築史学、民俗学、宗教学、歴史学などのさまざまな分野の成果を統合することで、総合的なチベット仏教美術の研究基盤を確立させるとともに、人文科学における情報の整理、統合、発信にかかわる基本的なモデルを提供する。さらに、国内の大学に附置されているインド学仏教学関係の研究機関を横断的に連携させることで、それぞれが所有する貴重な研究資料やデータの共有と有効な活用、設備・備品の効果的な導入、人材の活用や合理化を進め、さまざまな分野での連携・活性化を将来的に可能とする。