東洋学研究情報センター(Research and Information Center for Asian Studies)は、東洋学文献センター(1966年設置)に代わる東洋文化研究所の附属施設として、1999年4月1日に新設されました。当センターは、「アジア資料学」という研究分野を確立することを目的とし、具体的には、アジア研究のための資料を組織的に収集・蓄積しデータベース化すること、および資料そのものの性格について研究することを任務としています。
センターの研究分野は造形資料学分野、比較文献資料学分野、アジア社会・情報分野とに分かれています。造形資料学分野は、美術作品・建築・考古資料・民族学資料・地図・挿絵・映像・写真等の非文字資料を、比較文献資料学分野は、漢字や中国語に限らずさまざまなアジアの言語で書かれた書籍、新聞雑誌、文書、碑文等の文字資料を、そしてアジア社会・情報分野は、アジア・バロメーターなどのデジタル化された社会調査資料を、それぞれ研究対象としています。
センターの教員スタッフは、造形資料学分野担当の教授3と、比較文献資料学分野担当の教授2・准教授1、アジア社会・情報分野担当の教授2,からなっています。
東洋学研究情報センターは、旧東洋学文献センターの業務の中からデータベース作成や漢籍整理長期研修など重要なものを引き継いで実施するとともに、旧センター時代の東アジアを中心とした資料蓄積の遺産を継承しつつ、さらに西アジア・東南アジア・南アジアをも含んだアジア全域にわたる造形・文献・社会調査の各資料の蓄積・加工・発信を行う計画です。
このような活動に対応するためには、既に狭隘化しているセンターのスペースを積極的に拡大していくことは緊急の課題です。さらに、研究方法や資料公開の方法の類似している東大内外の機関との間で共同のプロジェクトを組織し、その実施をはかることも重要な課題となっております。