研究交流計画の概要

従来、個別に行われてきたアジアの社会学者の研究教育交流をより形のあるものとし、しかもその成果を、世界社会学会議・横浜大会で世界に向けて発信できるようにするために、以下の異なる活動を同時並行的に行うものとする。

(1)アジア社会学コンソーシアムによるセミナーの継続・発展 

現在、実験的に行われているアジア社会学コンソーシアム(於東京)を継続・発展させ、グローバル化するアジアが抱えるアクチュアルな問題(格差拡大、高齢化、環境問題、政治変容、越境移民の増加)を、比較の視点からアプローチしている研究者を招聘し、2か月に1度のペースで、セミナー形式で講演してもらう。講演の記録はHPでアップし、対外的に情報提供する。

(2)アジア比較社会共同研究会の実施

2014年の世界社会学会議・横浜大会を睨み、アジアにおける社会学発展の歴史を比較の視点から総括する研究会を毎年1回実施する。「歴史と個性」(於東京)、「成果と課題」(於台北)、「比較の可能性」(於香港)をテーマに共同研究を進め、その成果を報告しあうと同時に、将来の国際学会への合流及び独自の組織化を模索する。

(3)アジア・バロメーター共同研究会の実施

2003年から2008年まで蓄積されたアジア・バロメーターのデータベースを用い、年1回のペースで共同研究会を行う。「多文化状況と紛争」(於ソウル)、「メディアと政治」(於シンガポール)、「教育と価値観」(於東京)をテーマとし、各地の研究者は研究成果をまとめ、これを報告する。同時に若手研究者のみのセッションを設け、切磋琢磨できる機会を準備する。また、そこでの討論をもとに第二波調査が可能なネットワーク・基盤づくりを行う。