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香港大学社会学系との合同ワークショップが実施されました

  2012年3月27日の午後2時半から6時10分にかけて、JSPSアジアアフリカ学術基盤形成事業「比較社会研究のフロンティア」による学術交流活動の一環として、同事業の協力メンバーである香港大学社会学系・呂大楽教授と合同でワークショップを行いました。共同テーマは「中国社会をめぐる社会学的研究の新たな潮流(New Trends of Sociological Studies of Chinese Society)」。中国研究の中心から少し離れた香港、東京という場で、社会学というツールを用いてどのような分析が可能かを、7名の大学院生による報告から検討することを目的としました。
  第1セッションは中産階級をテーマに、政府による再開発の際にどのように芸術を利用しているかを比較分析したGrace Tangの研究と、高度成長期の日中を対象にメディアの中産階級イメージを比較分析した周倩の研究が報告されました。両者とも比較分析を通じて、それぞれのローカルな状況がもつ特徴を明らかにするとともに、その背後に微妙な政治的力学が存在していることを指摘していました。
  第2セッションは、現代中国における反外国主義的ナショナリズムの問題をテーマにし、Chen Luは2005年以降顕著になったネットでの反韓国的感情の高まりが、みずからの経験に基づく政治・経済的事象ではなく、想像に依拠した文化的事象であることを指摘し、Chen Xueluは、2007年の復旦大学の学生調査データをもとに、自国民としての誇りが排外的ナショナリズムにつながりやすいこと、しかし文化交流によってこうした感情が抑えられる傾向があることを指摘しました。
 第3セッションは社会変動の力学をテーマとしました。
 Yao Zelinは、改革開放後に民営化を促進させながらも、医者が公的機関に集中してしまう現象を扱い、なぜこうしたことが起こってしまうのかを説明しようしました。Zhang Jiyuanは、近年の「隔世世代家族(三世帯以上の家族で子供の親がおらず、子供と祖父母(以上)とによって出来上がる家族)」の増加がどのようなメカニズムによって出来上がり、その問題点がどこにあるかを報告しました。最後にZhang Hanは、浙江省寧波の老外攤地区の動きに、「領域的(territorial)コーポラティズム」の萌芽がみられるとして、その地区でどのような運動が起こっているかを報告しました。
 フロアからは多くの質問やコメントが寄せられ、報告者がタジタジとする光景も散見されましたが、参加した学生たちには大きな刺激となったようで、その後に開かれた懇談会では多くの有益な情報交換がなされました。


合同ワークショップの様子(1)
合同ワークショップの様子(1)

合同ワークショップの様子(2)
合同ワークショップの様子(2)

合同ワークショップの様子(3)
合同ワークショップの様子(3)


関連情報

告知情報(当日のプログラム)はこちらです



登録種別:その他
登録日時:ThuMar2911:11:342012
登録者 :園田・藤岡 
掲載期間:20120327 - 20120927
当日期間:20120327 - 20120327