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センターセミナー「中華民国外交からの変容と台湾外交の形成」(清水麗 東京大学東洋文化研究所 特任准教授)が開催されました

報告

 2019年1月18日(金)、日本台湾学会および科学研究費基盤A「対中依存構造化と中台のナショナリズム―ポスト馬英九期台湾の国際政治学―」(代表:松田康博)研究会との合同開催による、東洋学研究情報センターセミナー「中華民国外交からの変容と台湾外交の形成」が、松田康博教授の司会のもと行われた。本セミナーは、講演者である清水麗特任准教授の新刊「台湾外交の形成―日華断交と中華民国からの転換」の書評会でもある。なお本研究は、東洋文化研究所に所蔵されている「現代台湾文庫」の史料を使った成果の一つでもある。
 清水氏は、1972年の日華断交を転換点として、中華民国政府の外交行動様式が、「中華民国外交」から過渡期を経て「台湾外交」へと変容していった過程を論じ、台湾が国際的に置かれる特殊な状況が如何にして生じたかという問題の解明を試みた。特に、「一つの中国」言説を軸に“現状維持”をキーワードとし、中華民国政府の外交における選択余地の領域について検討した。
 清水氏による報告の後は、討論者の川島真教授によるコメントを踏まえ、中華民国政府が台湾に移る以前の1912年から続く「中華民国外交」との連続性、そこから「台湾外交」までの過渡期における日華断交の意味、安全保障上の背景などについて、更に議論が深められた。23名の参加があり、フロアからも数々の質問が寄せられ、活発な議論が展開された。

(記録:三代川夏子)

当日の様子

開催告知

【日時】2019年1月18日(金) 12:30-15:00

【場所】東京大学東洋文化研究所3F大会議室

【講演者】清水 麗(東京大学東洋文化研究所 特任准教授)

【題目】「中華民国外交からの変容と台湾外交の形成」

【コメンテーター】川島 真(東京大学)

【司会】松田 康博(東京大学)

【言語】日本語

【サマリー】
 1949年に台湾に渡った後の中華民国民政府は、70年代の国際的孤立状況を迎えても、形式上および表面上は中国の正統政府としての外交原則を大きく変更しなかった。しかし、その実際の外交行動様式は変化する。台湾国内での大きな変動や政治的衝突を抑制しながら、国際空間のなかで台湾としての活動空間を作り上げることになった、その外交実践にみられる思考・行動様式とはどのようなものだったのか。そして、その具体的な外交の実践の積み重ねの結果として、台湾として存在空間を確保しただけではなく、台湾としての認知を求める「台湾外交」へと変容する。本報告では、90年代以降に明確に現れる外交の枠組みの変化に先立って生じてきた実質的な行動様式の変化、いわば台湾外交の起源といえる歴史的過程について、一つの試論を展開する。


(クリックでPDF)

担当:松田



登録種別:センター関連
登録日時:Thu Jan 31 10:17:28 2019
登録者 :松田・藤岡
掲載期間:20190118 - 20200118
当日期間:20190118 - 20190118