公募研究の成果公開

日本所在漢籍に見える東アジア典籍流伝の歴史的研究-宮内庁書陵部蔵漢籍の伝来調査を中心として-

研究者

  • 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・教授 髙橋 智(申請者)
  • 国立歴史民俗博物館・准教授 小倉 慈司
  • 京都大学人文科学研究所・教授 金 文京
  • 慶應義塾大学文学部・教授 佐藤 道生
  • 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・教授 住吉 朋彦
  • 国文学研究資料館・教授 陳 捷
  • 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・教授 堀川 貴司
  • 東京大学東洋文化研究所東アジア第二部門・教授 大木 康

研究期間

2年

課題の概要

  本研究は、平成24~25年度共同研究のテーマ「日本漢籍集散の文化史的研究-「図書寮文庫」を対象とする通時的蔵書研究の試み-」の継続研究として、宮内庁書陵部所蔵漢籍の伝来調査と各図書の書誌調査を一体化することによって伝統的蔵書文化の特徴を明瞭に把握しようとするものである。既に、伝来単位である公家・大名・幕府・近世漢学者等に焦点を当てた分担調査が進行中であるが、伝来単位の蔵書構成を解明することは、漢籍文化がどのように我が国に浸透し発展してきたかを理解する有力な観点の一つであることが共同研究者の共通する認識となっている。最も歴史ある書陵部蔵書は、アジア諸国の皇室・宮廷蔵書文化と比較しうるものであって、ここに我が国固有の書物文化のエキスをみることができる。漢籍の刊・写、時代鑑定、唐本・韓本・和本の審定を基礎として、中世博士家・三条西家等公家・東福寺を始めとする古刹・日典や大通等の釈家、更に金沢文庫・足利学校を中心とする学堂と、近世を遡る蔵書史と、徳川家康以来の駿河御譲本・楓山文庫・昌平坂学問所、毛利高標・市橋長昭・新見正路等の大名武家の蔵書史を有機的な流動史として捉え、更に漢籍伝来の歴史を見据え、中国・朝鮮・日本・越南の蔵書文化との連携・共有・差異を探る基礎知識庫の構築を目指すものである。

研究成果

H26年次報告書 (PDF: 132KB)


公募研究の成果公開 一覧へ