T133

バハロール=ローディー(Bahlul Ludhi)の墓として知られているもので,チラーグ=デリー部落の西端にあり,ダルガーの西側囲壁のすぐ外にある。附図.H-12
外辺13メートルの四角平面の建物で,西をのぞく三面には,それぞれ三つの入口を開き,内部は,九つの間からなっている。中央と四隅の間には,それぞれドームがのせられ,中央のものは,一段と高く,花瓣型をなしている。内部の西壁の中央には,ミヒラーブが設けられている。中央に間には,基台の上に立つ二つの墓石があり,さらに,その西の間には,漆喰の墓の痕跡がある。ミヒラーブの周辺や,入口のアーチにみられる文様・碑文,および軒上の多数の小さな龕列は,この建物を趣きあるものとしている。この墓建築は,ローディー朝の初代のスルターンである,ババロールーシャーの墓とされてきたが,それを証拠だてる積極的な資料はない。第Ⅲ期。
東研.Ⅷ-23;ASI.Ⅲ-238

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