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フィーローズ=シャー=トゥグルク(Firuz Shah Tughluq)の墓で,ハウズ=ハースの東南隅に立っている。附図.G-11
この墓は,ハウズ=バースの貯水池の東南隅に立ち並ぶ建物群の中央に位置しており,ドームをいただく,四角平面の建物である。南と東には,入口を開いているが,北と西とに,この建物の北側および西側につづくマドラッサに通じる鍵型の通路をもっている。内部には4基の墓石があるが,ほぼ中央の最大のものが,おそらくは,フィーローズ=シャーのものであろう。入口の内部と,スクィンチアーチの部分,およびドームの基部は,碑文と文様とで飾られており,単調な墓室内部の雰囲気を,にぎやかなものとしている。
南面入口のアーチに,スルターン=フィーローズーシャーの名と,さらに,913A.H,(1508A.D.)の年次とともに,ローディー朝のスルターン=シカンダルの名をも記した碑文がかかげられている。この碑文は,ローディー朝のシカンダル=シャーの時代に,この墓に補修が加えられたことを示すものと推定されるが,ドーム内部をうずめる交叉アーチや多数の円形文様は,おそらくは,このときの補修に際してほどこされたものであろう。なお,この墓の南側にあるせまい前庭は,基台の上に立つ欄干によってとり囲まれているが,この欄干は,近年になって復元されたものである。第Ⅱ期。
東研.Ⅵ-11-1;ASI.Ⅲ-308

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