O21
ベーガンプル東方のマハル(Maal)とよぶ。ベーガンプルのモスクの東方約300メートルにある。附図.G-12
内庭を囲んで,四方に部屋をめぐらす大きな建造物で,西側の中央部分は,ピラミッド型の屋根をいただく三つの部屋からなっているが,この部分は,あるいは,モスクの役割りをはたしていたものかもしれない。西北隅の部分は,屋根の上に,さらに二部屋からなる望楼風の建物をのせており,北の屋上に入口を開いている。この望楼の屋根は平坦で,南をのぞく三方に,小さなヴェランダを張り出している。内庭のほぼ中央には,おそらくは後代のものと思われる墓地が,囲壁に囲まれてのこっている。また,北側の部屋のさらに外側には,列柱の間が突き出していたが,近年,崩壊して,現在では,柱の散乱する廃墟となっている。なお,この建造物の性格については,ASIは,ハーンカーであったかもしれないという推定を記しており,また,貴族の邸宅であろうとする説もあるが,現状からは,にわかに断定的なことはいえない。また,この建物の年代については,あるいはムガル時代におよぶ可能性もないとはいえない。第Ⅲ期(?)。
東研.Ⅷ-14;ASI.Ⅲ-265