シンガポール(新加坡):図書館・文書館ガイド  
 
東京大学大学院総合文化研究科 准教授  吉川  雅之
(2008年7月10日)

 筆者は2008年6月に客員研究員の身分でシンガポールのナンヤン・テクノロジカル・ユニバーシティに招聘された。滞在は短期間であったが,シンガポールの言語と文芸,言語教育について各機関で文献調査を行ったので,ここに紹介する。ただし閲覧室ではカメラや携帯電話の使用は禁止であるとか,複写に当たっては著作権保護の観点から制限を受けうるといった,常識的な事柄については触れない。

 シンガポールの公用語は英語,華語(普通話,いわゆる中国語),マレー語,タミル語であるが,中国語の方言と見なされている福建語(閩南語)や広東語,潮州語などを耳にする機会もまだまだ多い。各機関とも英語で書かれた文献が過半数を占めるものと思われるが,中文,マレー語,タミル語で書かれた文献も一定の割合で所蔵されている。

 本文には「NETS」と「CashCard」という言葉が登場する。現地の銀行が口座開設者に発行するキャッシュカードには「NETS」という機能が付加されている(カードの裏面に「NETS」のロゴが印刷されている)。この「NETS」は一種のデビットカード的な機能を有しており,タクシー,自動販売機,一部の商店でも使える他,「CashCard」のチャージが行える。現地の銀行とは星展銀行(DBS),大華銀行(UOB),華僑銀行(OCBC)を指す。Citibankは含まない。

 「CashCard」とは銀行が口座開設者に発行するキャッシュカードのことではなく,図書館での複写に必要なプリペイドカードの名称である。非接触型ICカード乗車券である「ez-link Card」とも別物である。複写以外にも,自動販売機や一部の商店で商品購入に使える。シンガポールの大学の学生証にはこの「CashCard」機能が組み込まれているが,学生証を持たなければセブンイレブンで購入すればよい。価格にはS$2.00のデポジットが含まれている。同じコンビニエンスストアであるCheers では販売していないようだ。図書館内やATMで「CashCard」のチャージ(現地語ではカード類のチャージを「Top Up」と言う)をするには「NETS」が必要であり,必然的に現地の銀行のキャッシュカードが必要となるので注意すること。

 また複写に関しては,各機関とも用紙はA4とA3しか提供されていないことを付け加えておく。

 なおシンガポールの図書館・文書館に所蔵されている文献については,歴史学を中心に既に適切な紹介が行われており(水島司「シンガポール国立文書館,国立図書館,国立大学所蔵資料とその利用について」,AA研『通信』73号,1991年),それを熟読した上で利用していただければ幸いである。



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1.シンガポール国立図書館 2.公文書館 3.SELECT BOOKS 4.紀伊國屋書店 3,4.シンガポール国立大学(NUS) 5,6.南洋理工大学華裔館