香港(ホンコン):図書館・文書館ガイド | |||||||||||
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(2008年10月28日) |
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ここに紹介するのは香港に所在し,香港及びその隣接地域の研究に関して有用な図書館・文書館の一部分である。香港歴史檔案館は吉川が,香港大學の大學圖書館と馮平山圖書館は吉川と廣江が,香港大學の法学部と教育学部の図書館は廣江が,香港中文大學の各図書館は鈴木が執筆している。 本文について次の数点を断っておきたい。 1.香港の公用語は中文(音声言語は広東語,書記言語は繁体字)と英語であり,公的機関の表示は中文繁体字と英語で並記がなされているが,webサイトではこれに加えて中文簡体字のページも整備されつつある。しかし香港大學の図書館のwebサイトは英語のページのみである。また,史的文献の多くは旧宗主国イギリスの言語である英語で記されており,そして現在刊行されている書籍は多数が中文繁体字で,少数が英語で記されている。本文では香港の地名と機関名を表す漢字に繁体字を用いる(例:観→觀,号→號)。 2.香港の大学に在籍する大学院生は,在籍校の図書館に申請すれば他大学の図書館に入館が可能なカード(JULAC Student Library Card)を発行してもらうことができる。その場合,最初の利用時に申請書に記入するなどの手続きが必要である。 3.本文には「オクトパスカード(Octopus,八達通)」という言葉が登場する。これは非接触型ICカード乗車券であり,タクシーを除く越境しない全交通機関の搭乗,コンビニエンスストアやスーパーでの商品購入に使える。香港の大学の学生証にはこの「オクトパスカード」機能が組み込まれているものもあるが,学生証を持たなければ地下鉄(MTR)の精算所,街中のコンビニエンスストア,香港国際空港,主要フェリー乗り場などで購入すればよい。価格はHK$150.00で,HK$50.00のデポジットが含まれている。チャージはMTRの駅構内に設置されている「増値機」で行うが,香港大學の大學圖書館でもHK$50.00のみのチャージに限定して行っている。 4.複写に関しては,概して各機関とも用紙はA4とA3しか提供されていないが,香港政府歴史檔案館ではF4(217㎜x332㎜)紙も提供されている。 5.大学の図書館では開架の図書資料に限って,書架に戻す必要は無く,閲覧・複写終了後は返却台や回収専用シェルフに置くことになっている。 6.香港では階数を英国式(G, 1, 2, …)で数えるため,本文ではそれに従う。 なお香港の図書館・文書館の利用と所蔵文献については,歴史学を中心に既に適切な紹介が行われている(古泉達矢「香港・澳門の近代史関係史料について」,『中国研究月報』No.721,2008年)。古泉氏の論文は勿論のこと,そこに挙げられている先行文献も一読の価値があることを付け加えておく。 [付記]吉川執筆部分は平成16-18年度科学研究費補助金基盤研究(B)「香港におけるリテラシーの変遷と変異に関する社会言語学的研究」(代表者:吉川雅之 課題番号:16320048)助成を受けて行った文献調査の記憶に基づくところが大きい。 |
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