インドネシア
在日公館
インドネシア共和国大使館
Embassy of the Republic of Indonesia in Japan
連絡先
〒141‐0021 品川区東五反田5丁目2‐9  Tel:03-3441‐4201
URL
http://www.indonesian-embassy.or.jp/
在外公館
Indonesia Embassy of Japan
連絡先
Jl. M.H. Thamrin No.24, Jakarta 10350, Indonesia  Tel: (62-21) 324308  Fax: (62-21) 325460
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http://www.id.emb-japan.go.jp/top_jp.html

   
インドネシア留学に関する手続き
川村 千代

 筆者は1998年から2004年1月現在まで、ジョグジャカルタ市にある国立ガジャマダ大学に在籍している。どの大学に留学するかによって、役所や大学の担当部署等の名称が多少異なるかもしれないが、基本的な手続きはどこも同じである。
 
I. 出国までの手続き

 留学のための就学許可・長期ビザの申請と取得(在東京インドネシア共和国大使館の例)

[1]  まずインドネシア共和国大使館教育文化部で就学許可の申請を行う。必要書類は以下の通り。書類は、英語あるいはインドネシア語で作成する。手続きを郵便で行うことも可能。

(1) パスポートのコピー
(2) 証明写真5×5cm 3枚
(3) 最終学歴卒業証明書、または卒業見込み証明書、在学者は在学証明書
(4) 最終学歴成績証明書
(5) 履歴書
(6) 健康診断書
(7) 学費保証書(在東京インドネシア共和国大使館には見本がある)
(8) 政治活動、就労はしないという誓約書(上に同じ)

  教育文化部に提出された書類一式は、次の順序で各機関を回る。

(A) インドネシア共和国大使館教育文化部(東京)
(B) 留学を希望する大学(インドネシア/ ジャカルタ、ジョグジャカルタ、その他)
(C) 国家教育省「高等教育局(C-1)」→「外国協力局(C-2)」(ジャカルタ)
 就学同意許可書 発行
(D) 司法人権省「入国管理総局」(ジャカルタ)
 長期ビザ発給許可書 発行
(E) 東京のインドネシア共和国大使館「入国管理部」

[2]   東京のインドネシア共和国大使館で就学許可の申請をしてから約3ヵ月後に、上記の(D)から長期ビザ発給許可書が発行される。それが東京のインドネシア共和国大使館へ届いてから、同大使館の入国管理部で長期留学ビザ申請ができるようになる。長期ビザ発給許可書が届いたかどうかは、電話で同大使館へ問い合わせることができる。

必要書類は以下の通り。申請の翌々日には長期留学ビザが発行される。

(1) 黄色の長期ビザ申請書【大使館備え付け】3枚
(2) 証明写真5×5cm【(1)の申請書に貼り付ける】3枚
(3) 英文履歴書3枚/コピー可
(4) 最終学歴卒業証明書、または卒業見込み証明書、在学者は在学証明書3枚/コピー可
(5) 成績証明書3枚/コピー可
(6) 国家教育省外国協力局発行の就学同意許可書(I-[1]参照)3枚/コピー可
(7) 司法人権省入国管理総局発行の長期ビザ発給許可書(I-[1]参照)1枚/コピー可
(8) 航空券(1年オープン、または片道)
(9) 旅券(申請時残存有効期間18ヶ月以上)
   *:上記の(6)、(7)は、在東京インドネシア共和国大使館で受け取ることができる。

II. インドネシアへ入国する際の手続き

 入国審査を受ける際、旅券中の長期留学・調査ビザの横に、入国審査スタンプが押される。そのスタンプには「入国後7日以内に就学先(受け入れ機関)のある地域の入国管理局に自己報告すること」と記されている。入国審査官が、予定する就学・調査地の名前を間違いなく記入しているか忘れずに確認する。例えば、ジョグジャカルタで留学・調査する場合、スタンプ欄に「ジャカルタ」と書かれてしまうと、その後出頭先の変更手続きをしなければならなくなる。また、インドネシア出入国カードの半券は、後日、現地入国管理局の手続き(III-2, A)で必要なので紛失しないようにする。

III. インドネシア入国後の手続き

 留学あるいは調査地到着後、大学の学生協力課(Bagian Kerjasama)と各役所で以下のような手続きを始める。各役所では書類のコピーや証明写真などを何枚も要求されることになるので、手続きに赴く際は常に余分に持ち歩く。役所では背景が赤の証明写真を請求されることが多い。背景が赤の証明写真を写真屋で撮ってもらい、ネガを受け取っておく。各役所で発行される書類の有効期限は1年間なので、インドネシア滞在が1年以上になる場合は早目に延長手続きを始める。

III-1. 大学の学生協力課(Bagian Kerjasama)での手続き

 大学の学生協力課に、国家教育省外国協力局から発行された留学希望大学宛の就学同意許可書(I-[2]参照)などの関係書類を持って行き、就学地を管轄する入国管理局宛の長期滞在許可書(KITAS)と外国人登録証(Buku POA<青い表紙で、通称Buku Biru>)の発給依頼書、州警察宛に自己報告証明書(STMD: Surat Tanda Melaporkan DiriとSKLD: Surat Keterangan Lapor Diri<黄色い帯が目印で、通称Buku Kuning>)の発行依頼書、県/市役所宛の一時滞在許可登録報告書(SKPPS)依頼書を作成してもらう。同時に、学生登録・授業料払い込み・履修登録の手続きなど、すぐにできる手続きは済ましてしまう。

III-2. 現地の各役所での手続き

[1] 就学地を管轄する入国管理局での手続き
 長期滞在許可書(KITAS)と外国人登録証(Buku POA)の申請用紙を購入する。それに必要事項を記入し、以下の書類とともに提出し、料金を払う。指定された日に受け取りに行く(およそ2〜3週間後)。
必要書類は以下の通り:

(1) 国家教育省外国協力局から発行された入国管理局宛の就学同意許可書(I-[2]参照)
(2) 大学の学生協力課から発行された入国管理局宛の長期滞在許可書(KITAS)と外国人登録証(Buku POA)の発給依頼書(前項、III-1参照)
(3) 旅券、旅券のコピー(写真、ビザ、入国審査スタンプのあるページ)
(4) 証明写真(原則としてカラー写真、背景赤、6×4・3×2cm各数枚)
(5) インドネシア出入国カードの半券

[2] 就学地を管轄する州警察での手続き
 入国後30日以内に、就学地を管轄する州警察本部で自己報告証明書(STMDとSKLD)発行手続きをする。大学の学生協力課で発行される州警察本部宛の依頼書(III-1参照)、旅券・長期滞在許可書(KITAS)、外国人登録書(Buku POA)のコピー(III-2@参照)、証明写真(原則としてカラー写真、背景赤、6×4・3×2cm各数枚)を持って警察の外国人申告証明の担当課へ行き、備え付けの申請用紙に記入する。その後、指紋を採取され、料金を支払う。後日、指定された日に受け取りに行く(即日または翌日発行。STMDのカードは約2ヵ月後)。

[3] 居住地を管轄する県/ 市役所での手続き
 大学の学生協力課で発行される一時滞在許可登録報告書(SKPPS: Surat Keterangan Pendaftaran Penduduk Sementara)依頼書(III-1参照)を持って、居住地を管轄する県または市役所に申請に行く。この手続きでも、旅券・長期滞在許可書(KITAS)・外国人登録書(Buku POA)のコピー(III-2@参照)、証明写真(原則としてカラー写真、背景赤、6×4・3×2cm各数枚)が必要。後日、指定された日に受け取りに行く(2、3日後)。

III-3. 在ジャカルタ日本国総領事館への在留届

 インドネシアに3ヶ月以上滞在する場合、在ジャカルタ日本国総領事館へ在留届を提出する。在留届の用紙は、総領事館に郵送してもらうこともできる。用紙に必要事項を書き込み、返信する。

IV. 再入国許可の申請と発行手続き

 インドネシアの長期滞在ビザ(留学および調査ビザを含む)取得者は、インドネシア滞在中に一時帰国あるいは旅行等の目的により第三国に渡航する場合、事前に再入国許可(ERP: Exit Re-entry Permit)を取得する必要がある。再入国許可は、最長3ヶ月の間に1度の再入国が許可されるシングルと、最長6ヶ月の間は自由に出入国が許可されるマルチプルの2種類がある。いずれも、就学地・調査地を管轄する入国管理局で発行される。留学生の場合、まず大学の学生協力課に申し出て、大学から入国管理局宛に依頼書を作成してもらう。それを受け取ってから、入国管理局で手続きする。また大学で、入国管理局宛の手紙と一緒に、出発する国際空港関税局宛の手紙を作成してもらう。これは、空港で長期滞在者出国税(100万ルピア:2003年12月現在)免除の手続きを行う際に必要である。

V. 最終的な出国許可

 インドネシア滞在を終了して日本に帰国する場合は、就学地・調査地を管轄する入国管理局で出国許可(EPO: Exit Permit Only)を取得する手続きをしなければならない。これは旅券に記載されている滞在許可の証印を抹消したり、KITASを返却したりする手続きで、出国許可取得後14日以内に出国できる。

VI. その他

[1] 語学留学と本科留学
 語学留学生のために、ガジャマダ大学文学部には現在INCULS(Indonesian Language and Culture Learning Servica)が設置されている(インドネシア大学ではBIPA)。INCULSは、初・中・上級の3クラスに分かれ、週5日間、8時から13時までの間に作文・会話・単語・文法・読解・実習・翻訳(日本語/ 英語からインドネシア語への翻訳、中・上級クラス受講者向け)の講義を行っている。新入生は、初めて講義に出席する前に小テストを受けて、クラスが決められる。初級クラス受講者はあらかじめ決められた時間割に従って受講する。中・上級クラスの受講者はINCULSの講義(1コマ2単位)と学部の講義を合わせて12単位まで受講することもできる。1年2学期制で、新学期は9月と2月に始まる。学期末試験は、進級テストも兼ねている。しかし基本的には、1学期毎に進級できる。授業料は1学期600米ドルで、この値段は1998年から変わっていない(インドネシア大学のBIPAでは1500米ドル:2003年)。
 また、正式な手続きさえ踏めば学部・大学院で、本科学生として勉強することもできる。大学院に進学を希望する学生および社会人を対象に、予備科を開講する研究科もある。予備科では1学期(半年)間、集中的に、理論や方法論など専門課目を学ぶ時間割が組まれている。しかし、研究科によっては、外国人学生向けに高額の学費を設定しているところもある。ガジャマダ大学各研究科の入学方法、予備科の有無、学費などは、下記に問い合わせることができる。

Program Pascasarjana UGM
住所 :Jl. Teknika Utara, Pogung, D.I.Y.
電話番号 :(+62)274−901210〜11
Fax番号 :(+62)274−564239

[2] 社会事情・生活情報・その他の情報
 現地の社会事情、および生活に関する情報は、以下のホームページや、そこに掲載されているリンク先から得ることができる。また東南アジア史学会のホームページには、奨学金や研究金助成に関する情報が随時掲載される。

東南アジア史学会ホームページ
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssah/
同学会による「インドネシア」情報リンク集
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssah/link/linkid.html
よろずインドネシア(ジャカルタ)  
http://www.yorozu.indosite.org/
シェイク・ハンズ(ジョグジャカルタ)  
http://www.shakehands.or.id/