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留学ガイド/クルグズスタン(キルギス)編
吉田世津子

 筆者がクルグズスタンに留学したのは1993年9月〜1997年8月であり、当時と現在では留学受入機関・手続き・学費等に関して大きな違いがある。ここでは2004年8月〜10月の時点で入手した情報に基づいているが、留学を希望される方は、必ず最新情報にあたられたい。

1.出国まで

ビザ

 現在では、首都ビシケク市のマナス空港(国際線)到着の場合、日本人はビザなしで入国できる(ただしそれ以外の空港からの入国・陸路入国の場合は不明)。留学生ビザも2004年8月の時点では不要。

語学留学

ビシケク市内には語学(クルグズ語・ロシア語)留学の可能な大学がいくつかあり、学費は目安として1言語10カ月で$1,000〜2,000程度。具体的な学習時間数や期間は交渉可能。授業言語はほとんどロシア語かクルグズ語で、英語は少ない。(※以下、一部のURLは接続不能のことが多い)

クルグズ民族大学(Kyrgyzskii Natsional’nyi Universitet).









外国人言語文化センター (The Center of Languages and Cultures of the Central Asia Region for Foreigners)
 外国人留学生のための語学教育センター。
 留学期間・レッスン形式(グループorマンツーマン)など選択可能。
 例えばマンツーマンで1言語の学費(1年間)は$2,100。
 547 Frunze St., Bishkek, 720033 Kyrgyzstan
 Phone: +996-312-665262, Fax: +996-312-660395
 E-mail: market@it.kg
 URL: http://www.iepii.edu.kg
国際課−住所は上に同じ、Phone: +996-312-660154

ビシケク人文大学(Bishkekskii Gumanitarnyi Universitet)
 27 Tynchtyk Ave., Bishkek, 720044 Kyrgyzstan
 Phone and Fax: +996-312-484035; 541405
 URL: http://bhu.freenet.kg

クルグズ国立教育大学(Kyrgyzskii Gosudarstvennyi Pedagogicheskii Universitet)




 51 Razzakova St., Bishkek, 720026 Kyrgyzstan
 Phone: +996-312-660812; 660347, Fax: +996-312-660588
 E-mail: kmpu_50@netmail.kg
 URL: http://www.kspu.edu.kg
国際課−住所は上に同じ、Phone: +996-312-660875

ロシア−クルグズ・スラヴ大学(Kyrgyzsko-Rossiiskii Slavyanskii Universitet)




 44 Kievskaya St., Bishkek, 720000 Kyrgyzstan
 Phone: +996-312-662567, Phone and Fax: +996-312-282776
 E-mail: krsu@krsu.edu.kg
 URL: http://www.krsu.edu.kg
国際課(Otdel po mezhdunarodnym svyzi KRSU)有り

 中央アジア−アメリカ大学(URL: http://www.auca.kg)でも留学が可能。近年は英語を話せる国際課職員は増加しつつあるが、複雑な交渉をする場合はある程度ロシア語が話せることが望ましい。この他に、入国後自分で教師をさがしプライベートな個人レッスンを受けることも可能で、期間・費用は全て個人交渉。語学教師の教授スキルには当たりはずれが大きい(これは大学でも同じ)。

研究留学

 上記の大学、ならびにクルグズ民族科学アカデミーで留学可能。現地の大学教員・研究者との事前調整が必要で、正規の学部・大学院進学にせよ研究生・聴講生留学にせよ、日本で留学期間・学費や手続き等の委細を詰めるのは相当困難。

クルグズ民族科学アカデミー(Kyrgyzskaya Natsional’naya Akademiya Nauk)
 265a Chui Ave., Bishkek, Kyrgyzstan
 URL: http://academ.aknet.kg/


2.現地到着後

外国人登録

 上述のように2004年8月現在で留学生ビザは不要だが、内務省外国人登録部(OVIR)での外国人登録が必要。これは留学受入機関で行う(機関を通さない滞在の場合は、現地の旅行会社に経費を払って代行してもらうか、自分で行う必要あり)。筆者の留学時、長期滞在者はエイズ検査の陰性証明書を求められたが、これについては現地受入機関に要確認。

通信状況

 現地プロバイダと契約の上、自宅でインターネット・メール使用可能。ビシケク市内にはいくつものインターネットカフェがある。携帯電話も現地で契約・購入できる。

生活情報

 ビシケク市は電気・ガス・上下水道・電話といった基本的なインフラはよく整備されているが、年によっては電力・ガス供給に問題が起こることもある。水道水はそのまま飲めないわけではないが、煮沸して飲むかミネラル・ウォーターを買う方が無難。市内には日用品・食料品を売る大小のバザールが多数あり、総合デパート、輸入品を多く扱う高級スーパー、24時間スーパーも開店している。レストラン・カフェも多く、ビシケク市で暮らす限り生活に大きな支障はない。ただし治安は悪化しているので、なるべく日没後は一人で出歩かない、夜中に一人でタクシーには乗らない、バッグやリュックはからだの側から離さない、といった基本的な自衛策は必要である。泥棒・強盗も多く、一人暮らしをする場合はアパートの立地・部屋や窓の位置・扉の強度・鍵・隣人などにも注意が必要。近年、ビシケク市等で外国人と現地警官とのトラブルが多数発生していると言われており、そのため外国人のための携帯用身分証も希望すれば発行してもらえる。

 気候では、ビシケク市の夏はかなり暑く冬は厳しい。夏の最高気温は40度近くまで上がることもあるが、乾燥しているため日本よりは過ごしやすい。冬は年によっては大雪が降ることもあり、一番寒い時期で最低気温が零下10〜15度前後ぐらいである。路面が凍結するため滑りにくいブーツ(丈夫なヨーロッパ製ブーツなど現地で購入可能)があると便利。地方ではそれぞれ気候の特徴が異なるので、事前の情報収集が必要。

 市内には外貨両替店が多数あり便利だが、トラベラーズ・チェックは使えない(筆者の体験範囲)。2004年8月にクレジット・カード(Visa, Master)を使っての現金引き出しがおそらく可能なATMを数台見かけたが、まだ実際に試したことはない。市内中心部にあるハイアット・リージェンシー・ホテルの両替所ではVisaカードでの現地通貨引き出しが可能(市中よりレートは悪い)。ビシケク市には、モスクワからロシア国際航空、イスタンブールからトルコ航空、タシケントからウズベキスタン航空、ウルムチから中国南方航空などが定期的に乗り入れている。クルグズスタン航空もモスクワ・フランクフルト・ニューデリー等に定期便を飛ばしている。

(2004年10月記)