バングラデシュ
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バングラデシュ人民共和国大使館
Embassy of the People's Republic of Bangladesh in Japan
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URL
http://www.bdembjp.com/index-j.htm
    
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バングラデシュ留学に関する手続き
佐々田 耕作

 筆者は2000年にダッカの私立語学学校で短期語学留学をし、その後2001年にはバングラデシュ農業大学の研究生として、2002年から2004年にかけて同大学の博士課程に留学した。以下の記述はその時期の筆者の体験に基づいている。


(1)出国まで

奨学金

 現在のところバングラデシュ政府主導の日本人への奨学金制度はない。日本の文部科学省のアジア諸国等派遣留学制度は2002年度からバングラデシュを対象国に加えているので、それを申請することも可能。そのほかにも松下などの民間奨学金で留学している人もいた。

入学許可の手続き

@ ベンガル語語学留学

 まずダッカ大学のInstitute of Modern Language がベンガル語の初級、中級、上級各1年のディプロマコースを開講している。これは授業料が安い、ダッカ大の国際学生寮に入れる、1年マルチの学生ビザ(更新可)が取得できるなどの利点はあるが、手続きが煩雑で授業自体の評判もあまりよくない。

 開発援助関係者をはじめとして多くの外国人がベンガル語を習っているのがNGO経営の語学学校Heed Language Centerやそこから枝分かれしたEffective Bangla Language Centerである。これらは料金が月額100ドル程度と高いが、独自教材や教え方の評判も良い(先生やクラスの人数の多少で当たり外れはあるが)。何月からでもスタートできるし、期間も自由に選べる。

 この他、家庭教師に個人レッスンでベンガル語を学ぶ手もあるが、教師は外国人に教えた経験のある人のほうがよいだろう。いずれの方法によるにせよインドと比べると大学生の間でも英語の通用度はかなり低いので、正規課程への留学を考える前にまずベンガル語を鍛えておく必要があろう。

A 正規課程への留学

 今まで日本人が正規課程に留学したことのある大学は、ダッカ大学バングラデシュ農業大学だけであろう(もちろん他にも大学はある)。筆者はバングラデシュ農業大学の博士課程に在籍しているので、そこにいたる手続きを紹介しよう。まず博士課程への入学に必要なのは、申請書(書式はないが記入項目は指定されていた)、高校以降の卒業証明書と成績証明書、及び研究計画書である。財政能力証明書は日本人だからいらないといわれた。これらの書類は当然英語で用意する。成績証明書はSSCやHSCのCertificateを提出するよう求められるが、日本との教育制度の違いを説明し、大検の成績証明書で代用してもらう。研究計画書は指導教官に前例を紹介してもらい、そのスタイルを参考に作成した。

 しかるべき書類を提出した後、筆者の場合は比較的短期間で受け入れ許可が出たが、これは学内で政治力のある現地の指導教官が尽力してくれたからに他ならない。こうした事務手続きはバングラデシュでは非常に煩雑であることが多いので、指導教官に頻繁に働きかけることが肝要である。筆者の場合は日本政府からの奨学金をもらっているというのも有利に働いた。

ビザ取得

 一旦受け入れ許可さえ出てしまえば留学ビザの取得は非常に容易である。大学からの受け入れ許可証を東京のバングラデシュ大使館でビザ申請書や写真と一緒に提出すれば、観光ビザなどと同様、無料で翌日には1年間のマルチプルの学生ビザが発給される。


(2)現地到着後

在留邦人登録

 到着後できるだけ早いうちにダッカの日本大使館に在留邦人登録をしておいたほうがよい。

ビザの更新

 学生ビザは最大1年のため2年目からは再度ビザ取得の必要がある。これは現地でもアガルガオンにあるPassport Officeでやることはできるが、役人のサボタージュ、賄賂要求などろくな噂を聞かないので、可能であれば日本に一時出国し、目黒のバングラデシュ大使館で在籍証明書(決まった書式がないので、筆者の場合は指導教官に一筆書いてもらった)を提示して無料翌日発行してもらうのが楽ではあろう。なおバンコクのバングラデシュ大使館でもスムーズに取得できるのかもしれない。

フィールド調査について

 個人で農村調査する場合に公式の調査許可を筆者は取ったことはないが、誰の紹介もなしに面識の全くない日本人がふらっと農村にでかけて調査すれば当然怪しまれる。日本人研究者の多くは、現地指導教官やNGOなどに紹介してもらった村を調査している。しかし先に調査したい場所が明確に決まっているのであれば、現地のタナ役場に直接出向いて事情を説明した上で、求める調査村に向かってもよいが、その場合でも初回だけは役場の誰かに道案内を頼んだほうが村人にスムーズに受け入られるだろう。

生活情報

 生活情報は、
JICAのサイト http://www.jica.go.jp/ninkoku/bgd/
バングラデシュ大百科 http://c2c-1.rocketbeach.com/~samzweb/bdencyclopedia/
など様々なサイトから情報収集できるが以下では通信環境と住居に絞って紹介しよう。

@通信環境(インターネットと電話)

 ダッカかチッタゴンならば、1時間20tk程度のインターネットカフェは無数にある。また最近はボグラやボリシャルのような地方都市でもダッカと同じようなネットカフェが増えてきた。ただし当然WindowsのOSは英語版なので、日本語を使いたいならば2000かXPがインストール済みのPCを探すか(これだと言語設定を少しいじれば日本語読み書き可能)、時間はかかるがマイクロソフトのHPから日本語IMEをダウンロードする。ネットカフェによっては自分のラップトップの持ち込みを許してくれるところもある。自宅に電話線があるならGrameen Net, BOL, Proshika Netなどのプロバイダーに加入するか、HRCなどのプリペイドカードを利用してもよい。一部地域では常時接続サービスもあり、これなら電話線がなくてもネットを利用できる。

 電話は固定電話を新しく引くのは非常に時間がかかる。一方携帯はシェア最大のGrameen Phoneをはじめ複数の民間企業があり、どれもすぐに利用できて便利であるが、会社によって携帯同士しか通話できないもの、固定電話からの受信だけが可能なもの、固定電話への受信・発信がともに可能なものなどがあるので注意が必要。なおカード式プリペイド携帯もある。

 また町にはいたるところに電話屋(携帯電話のみの店もある)があるが、看板は多くがベンガル語である。市内通話は3分で5TK、携帯へは様々な料金があるが1分5tk程度の料金が多い。なお無人公衆電話はみたことがない。日本への通話は普通の固定電話からすれば1分50TK程度はかかるが、World CallなどPhone to PhoneのIP電話が利用できるところでは、店からでも1分10TK程度で日本と通話ができる。ただし音質は悪い。

A住居

 ダッカ大学やバングラデシュ農業大学には国際学生寮(個室)もあり、そこを利用すれば非常に格安であるが、それほどの快適さは望めない。快適さを求めるならば自分で”To-Let”という看板を頼りに探索するか、知人に大家を紹介してもらう。上述のHeed language centerなどに頼めばベンガル人家庭でのホームステイもアレンジしてもらえるが、設備に比して料金はやや高め(といっても月に100−200ドル程度だろう)。慣れてくれば知人を通じて個人的に下宿先を探すことも容易である。

(2004年8月記)